本は10冊同時に読め!

元マイクロソフト社長である著者の「並列読書術」のオススメ本。

というと、読書術を指南する本のように聞こえるが、内容の半分以上は「とにかく本を読め」という著者からの過激なメッセージである。

「はじめに」からかなり飛ばしている。雰囲気を感じてもらうために一部引用してみる。

高所得階級の人間になるか、低所得階級の人間になるか – その境目となるのは本を読んでいるか、読んでいないかの違いである。そもそも二極化の話も、本を読んでいない人にとっては「はあ? 何のこと?」という話だろう。そういう人から「庶民」以下の暮らしへと転落していくのだ。 (P4)

からはじまり、

本棚を見ればその人のほとんどがわかるのである。

たとえば「趣味は読書。最近読んだ本はハリポタ、セカチュー」という人は、救いようのない低俗な人である。

また、ビジネスハウツー書ばかり読む人も、私から見れば信じられない人種である。

まず、『金持ち父さん、貧乏父さん』系の本を読んでいる人、こうすれば儲かるという投資本や、年収1500万円を稼げると言った本を読んでいる人は、間違いなく「庶民」のまま終わるだろう。できる社員系の本を読んでいる人も同じである。(P4)

といいきり、

そういう人たちは(本を読まない人たちは)、飲みに行ってもゴルフにいっても、「今は欧米欧米っていうけれど、日本もいいところいっぱいありますよねぇ」「そうだよねぇ」などというとりとめのない会話ばかりしている。本を読まないような人との会話は、本当に苦痛だ。

対して、本をよく読む人というのは、地位や収入にかかわらずどこか品性があり、含蓄のある話をするので一緒にいても面白い。

人間の品格や賢さに地位や年収は関係ないのだと、つくづく思う。話せばすぐにわかるが、人は中身まではごまかせないのだ。

どんなに偉い人でも、本を読まない人を尊敬する必要はない。人によく似た生き物、サルに近いんじゃないかと思えばいいだろう。(P57)

サルとまでいう。

文章の端々から垣間見える、こういう上から目線な感じは読む人によっては不快感を覚えるだろうと思う。反感も多いだろう。個人的には不快感こそ覚えなかったが、こんなに断言しちゃってだいじょうぶかなぁとハラハラしながら読んだ。

さて、僕もかなり同時並行で読書をする。

だいたい10~20冊くらいが読み途中の本で、その読み方は自分にフィットしていると感じる。なので、本書の内容は、過激なメッセージ以外についてはすっと腹に落ちた。

賛否あると思うが得るものは多い。たったの500円なので読んでおいて損はないと思う。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 私が好んで読む本はいいかんじに否定されている・・・。とりあえず、庶民以下決定(笑)
    で、どんな本を読むと庶民から脱出できるんだって?

  • 『モーセと一神教』
    『ノアの洪水』
    『黒死病』
    『利休・茶室の謎』
    『セーヌ左岸の恋』
    『鷲は舞い降りた』
    『深夜プラス1』
    などなど。
    僕もほとんど読んでなかった。><

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