美術検定 対策問題

源平争乱の中で焼失した南都（奈良）の東大寺や興福寺では、戦乱収束後の鎌倉時代初めに大規模な復興事業が行われます。東大寺復興の総合プロデューサー（大勧進）となったのが、中国に3度渡ったと自称する僧・重源。伽藍の再建に際し彼は、当時の中国で行われていた単純で合理的な建築様式「大仏様（大仏様）」を新しく採用し、大仏殿や南大門などの巨大な建築を建立しました。

《オランピア》（1863年）が当時スキャンダルとなったのは、この作品が娼婦を描いたものであったからでした。それまで裸婦は神話の女神などといった、現実の世界とは関係のない「物語」の中の存在として描かれることが求められていました。しかし、マネは1863年の落選展に出品した《草上の昼食》と同様、現実の場面に現実の女性の裸体を描いたために、この「決まりごと」を破ったこととなり、不道徳と見なされたのです。

クレタ文明はエーゲ海のクレタ島で展開し、その最盛期は紀元前1700年から1400年でした。首都クノッソスなど各地には宮殿が造営され、その内部には地中海の恵まれた環境を造形化したような、躍動感あふれる壁画が描かれました。

フランス、アルデシュ県にあるショーベの洞窟壁画は1994年に発見されました。描かれたのは紀元前3万1000年前後と推測されますが、その年代については議論もあります。洞窟名は発見者の名にちなんだものです。

古代ギリシアでは柱の様式が3種類存在していました。ドーリア式は最も古いもので柱は太くその柱頭に装飾は施されません。イオニア式は細くて優美な柱で柱頭に渦巻型の装飾、コリント式はさらに細く、柱頭にアカンサスの葉をモチーフとした装飾が付けられています。

洞窟壁画で描かれたのは動物が中心で、植物や風景に対する興味は見られません。動物は食用のために仮の対象となった種類が多く、それらは鉄酸化物や満願酸化物といった鉱物系の顔料で描かれました。

モスクワ出身のカンディンスキーはモネの作品に触発され、抽象絵画へと移行した。第一次世界大戦勃発以来、ロシアへ帰国していましたが、総合芸術教育に興味があった彼はドイツへ戻り、1922年からバウハウスで教鞭を執りました。

紀元前7~6世紀のギリシア美術の様式を指す言葉「アルカイック」は「太古」「始原」を意味するギリシア語に由来し、この時代の彫刻に見られる微笑は「アルカイック・スマイル」と呼ばれています。

《テネアのアポロン》はアルカイック期、《デルフォイの御者》《クリティオスの少年》は初期クラシック期の作品。《サモトラケのニケ》は、《ミロのヴィーナス》《ラオコーン》と並ぶヘレニズム期彫刻を代表する作品の1つで、写実性と強い運動感が特徴です。

テネアのアポロン

デルフォイの御者

クリティオスの少年

ムーアは第二次世界大戦前からイギリスで注目を浴びた現代彫刻家。古代彫刻やルネサンス彫刻、さらに古代遺跡から影響を受けた作品を造っていました。1920年代末までに《横たわる人体》シリーズを造り始め、30年代には形を単純化して丸みを帯びた抽象的な人体像へと変化させました。