宇多田ヒカルの『First Love』『初恋』にインスパイアされたという Netflix オリジナルドラマ。
Netflixの日本ランキングで何日か連続で1位になっていたので、なんとなく見始めたのだけど、なかなかストーリーに入り込めなかった。
どことなく喪失感に包まれているような独特の雰囲気のせいか。
それとも高校生の恋愛のような生命エネルギーの塊みたいなものに対しての、おじさんの無意識的な拒絶のせいか。
まあ、理由はよくわからないけど、15分くらいで「もういいや」とやめてしまった。
それから2週間くらい経って年末になった。
FacebookやTwitterで(特に同年代で)絶賛するひとをちらほら見るようになった。
一度挫折したけど、そこまで絶賛されると気になってくる。
年末年始休暇に入っていて時間はたくさんあったので、寝苦しくて上手く寝れない夜にあらためて見始めた。
今度はおじさんらしくノンアルコールビール、そしてセブンのあかにし貝が相棒だ。
相棒のおかげか今回はなんとか1話を見終わり、だんだん話がわかってきた。そして、2話の終わりくらいからどんどん引き込まれていった。
このドラマは、時間軸や登場人物の視点が次々と変わるのが特徴的だ。
春道と也英の現在(2022年)の話。ふたりの高校時代の話(First Loveが出た頃なので1999年くらい?)。東日本大震災のときの話(2011年)。春道や也英の視点。也英の息子の視点。これらが行ったり来たりする。
だけど、意外なほど混乱せず、すっと受け入れられた。
結構複雑なのになんですんなり見れたんだろうと思って、2周目に(※当然のように2周目に突入した)そのあたりを気にしつつ見てみたら、自分(鑑賞者)が〈どうしてこうなったんだろ?〉と疑問に思うようなシーンにいい感じにトランジションしていたり、過去の映像は荒い解像度で撮られていたりして、細かいところも含めてかなり考え抜かれて作り込まれていることがわかった。
世代ど真ん中なので、描かれる風景に馴染みがあり、より没入できたのかもしれない。
個人的には、半年前、たまたま出張で札幌に行っていたことも、鑑賞体験を特別なものにしていたと思う。
とにかく映像や音楽が全体的に美しかったし、主演の2人をはじめ、脇役も含めて全員の演技が良かった。
テーマ曲の『First Love』や『初恋』は久しぶりに聞いてもグッときたし、すべてが素晴らしかった。
最近はドラマといえば韓国ドラマばかり見ていたが、日本のドラマも悪くないと久しぶりに思った。
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