十二支

「あたりめって何であたりめっていうんだろうね?」
「あ、俺知ってるよ。」
「なになに、教えて。」
「ていうか、先輩から聞いたんだけどね。」
「だから、何でー?」
「ホントはするめなんだけど “する” だと縁起悪いでしょ、ほら、博打とかでするっていうじゃん、だからあたりめにしたんだってさ。」
「へー、なるほどねー。よく知ってるね、その先輩。」
「うん、なんか軽く雑学王なんだよね、その人。」
「あはは、あ、そうだ、これ知ってる?」
「ん?」
「何で月の初めって “ついたち” っていうのか。」
「あ、それ知ってるかも。その昔、本で読んだことある。」
「あはは、なんで物語口調なの? “その昔”って。」
「いや、なんとなくね。」
「で、答えは?」
「あれでしょ。神様が十二支を決めるために動物集めてレースをさせたときに十三着だった “いたち” が可哀想だから毎月初めに名前を入れてやろうとかいうやつでしょ。」
「なーんだ、知ってたんだ。つまんないの。」
「うん、なんか知ってた。でも、ミレニアムだってのに十二支はないよな。」
「なんで? いいじゃん。」
「だって、ね、うし、とら、だよ。なんか古臭いっていうか、面白味にかけるじゃん。」
「そういわれてみればそうだね。」
「なんか新しい十二支考えようよ、この際。」
「あはは。この際ってどんな際? わたし今のままで別に困ってないよ。」
「まーまー、そういうな。新しいの考えようよ。例えばアイロン。」
「アイロン!? 生きてないじゃん。」
「ほら、ミレニアムだし無生物もたぶんいいと思うよ。じゃあ、俺が無生物を担当するよ。おまえ生き物考えて。」
「うん、わかった。仕方ないなー。」
「それじゃね、次はねー・・・、自民党。」
「なにそれー、わけわかんないよ。」
「社民党のが好み?」
「いや、そういうことじゃなくて。うん、でも、まあいいや。」
「なんだよー、なんか投げやりだなぁ。」
「じゃあ、わたしの番ね。えっと蛙。」
「蛙だとちょっと弱いなー。もうちょっと強めで。」
「じゃあ、野武士。」
「野武士!? また、突然強くなったなー。でも、そんな感じで頼むよ。」
「おっけー。」
「えっと、俺か。ちと、ごめん。ちょっと野武士がつぼにはまってる。」
「はやくー。」
「わるいわるい。えっと、じゃあね、ミルメークがいいや。」
「あはは、懐かしいね。」
「ふと浮かんだんだ。」
「えっとね、もやし。」
「あ、俺か。んと、えーと、ちと待った。そうそう簡単に思いつかないなぁ。」
「じゃあ、先いっちゃうよ。 マニキュア。」
「むぅ、綺麗どころで来たか。あ、思いついた。黒板消し。それと滝廉太郎。」
「滝廉太郎! 実在の人物アリなの?」
「うん、特例でアリってことにした。ミレニアムだし。」
「じゃあ、チェキっ子とかもいいのかな?」
「そっち来たか。うん、ミレニアムだし許す。」
「ミレニアムはなんでもありだね。」
「まあね、千年に一度だし。んで、今いくつ言ったっけ?」
「アイロン、ミルメーク、もやし、マニキュア、あ、あと自民党。」
「あと、野武士とか滝廉太郎、もやし、それと黒板消しとチェキっ子。」
「もやし言ったよ。」
「そうだっけか。てことは、今九個か。あと三つだね。」
「残り決めちゃっていいよ。なんか疲れちゃった。」
「おっけい。んじゃ、アルゼンチンとダイオキシンとアルカリ電池。」
「あはは、なんか脈略ないね。」
「なんとなく横文字を入れてみたかったんだ。」
「でも、よく考えてみると、黒板消し年に生まれた人は可哀想だよ。」
「それ言うなら、女に生まれて野武士年なんてもっと可哀想だと思うぜ。」
「あはは、滝廉太郎年。」
「たぶん年賀状に書くことになるんだよ。ダイオキシン年 賀正 とかさ。」
「なんか馬鹿だねー。」
「しかしそれが二一世紀なのだよ。」
「ていうか、わたしたちもかなり馬鹿だよね。」
「それをいうなって。」

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この記事を書いた人

こんにちは!カノといいます👓
インターネットやテクノロジー、ビジネスモデルや歴史(世界史・日本史)、美術などが好きです。メガネのせいか真面目っぽく見えるらしいですが、基本的には昔からいい加減な性格です。
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