思うんですが、世間に蔓延しているベタなシチュエーションに遭遇したときほど、わりとスムーズに親切な行為が取りやすいと思うんですよ。
車でバックをするときに、助手席のシートの後ろに手をかけられるとドキドキするとかいうベタすぎる話が蔓延しているために、ある時期から、なんか恥ずかしくなってできなくなりました。おかげで、今では身体の軸がぶれて、一発で駐車場に車を上手く入れられた試しがありません。(27歳・男性)
女の子が重い荷物とかを持ってるときにひょいと持ってあげると男らしいと思う、とかいうベタすぎる話が蔓延しているために、ホントに持ってあげたいと思う人にしか持ってあげなくなりました。なので、大体は「ホントは持てるくせに」とか軽口叩いて放置です。おかげで、今では力がない男呼ばわりで、逆に「持とうか?」とかよく言われます。(27歳・胃弱)
駅とかで「じゃあね」と別れてから、しばらく行ったところで振り向いて、相手がまだこっちを見ててくれると嬉しい、とかいうベタすぎる話が蔓延しているために、別れた瞬間、次の思考に切り換えてまわれ右です。でも、振り向いたときに見られてたらわりと怖いから、これはこのままでいいや。(27歳・都内)
急な坂を上るときに、さりげなく手を貸してあげられる男はカッコイイ、とかいうベタすぎる話が蔓延しているために、山登りとかのときも手を貸さなくなりました。おかげで、今では冷たい男と見られがちです。ていうか、むしろどさくさに紛れて見栄はりました。インドア派なのでそんなシチュエーションがあるはずもありません。(27歳・プログラマ)
お店とかで、見知らぬ人が陳列棚のところにぶつかってバラバラと商品を床に落としちゃったときとかに拾うの手伝ってもらってすっごい嬉しかった、とかいうベタすぎる話が蔓延しているために、結構派手に落としたのに誰にも手伝ってもらえませんでした。今日の僕じゃん。
別にオチとかいらないから。
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