最近、読む本が偏っていたので今週はちょっと息抜き。
本書の内容を一言で言うと、
「ディズニーの映画の多くは残酷でグロテスクな童話をもとに作られたものであるが、大人から子供まで幅広く愛される映画にアレンジしたディズニーの才能は、まさに魔法といっても良いほど見事なものである。」
といったところでしょうか。
本書では、
- 白雪姫と七人の小人
- ピノキオ
- シンデレラ
- 眠れる森の美女
- リトル・マーメード
- 美女と野獣
の六つの物語について、原作とディズニー版について鋭い比較・分析をしています。
とまあ、これだけでも十分に楽しめる本なのですが、個人的には、この本の見所は別にあると考えています。それは、文体によく現れています。これは推測ですが、おそらく作者はディズニー以前の童話のキャラクターが嫌いなんじゃないかと。
ピノッキオが受けるこの仕打ちも、身から出たさびだ。なぜなら、ジェッペット爺さんが、一着しかない上着を売って買ってくれた教科書を、肝心のピノッキオは、学校へ行く途中で、操り人形観たさに売ってしまうからだ。忘恩もはなはだしい。その後も、めずらしく仲間の操り人形をかばうという見上げた行いをしたため、これに感動した火食い親方は、ピノッキオの貧しさへの同情もあって金貨を五枚くれる。しかし、それを手っ取り早く増やそうという浅ましい思いから、まんまとネコと狐にだまし取られる。愚かで分別というものがないのだ。
とか、ちょっと言いすぎでは。
ちなみにシンデレラさんのこともさんざん言ってました。
コメント