「嫉妬」という切り口から世界史を書いた新書です。
歴史というのは一番ちっちゃい単位に分割してしまえば、結局は人間同士のコミュニケーションで作られているものだと言ってしまってもいい過ぎではないと思います。そして、その最小単位である人間は感情で動いています。
この本のテーマである「嫉妬」は、人間の感情の中でもかなり激しい感情で、そのネガティブな性質ゆえに「嫉妬」がたびたび歴史を動かしてきたのもうなずけます。
本書では、徳川慶喜と勝海舟、劉邦と韓信、孫権、森鴎外、西郷隆盛と島津久光、ヒトラーとロンメルなどなど、たくさんのねたみエピソードを通して、嫉妬とは何かについて考えさせてくれます。むしろ、ほとんどの出来事に何かしらの嫉妬が絡んでるんじゃないかと思うほどに、この世の中は嫉妬ワールドだったんだな、というのが正直な感想です。
コメント