経験した人はわかると思いますが、ファイル共有の世界はなんでもアリの世界です。音楽や映画だけでなく、ラジオ番組・漫画・ゲームなどデジタル化できるありとあらゆるコンテンツが流通しています。そして、そんな無法地帯が今もなお衰えることなく存在しています。
本書は、そんなコンテンツ業界にフォーカスをあててコンテンツの行く末を論じた本です。
本書の内容を平たくいうと、
「コンテンツの違法流通の行き着く先は、大衆文化の消滅だ」
といったところでしょうか。
今年、作者が逮捕されて話題になった Winny や海外で勢いのある Kazaa など、現在のファイル共有市場をざっくりと俯瞰したあとで、ゲーム、音楽、アニメの各産業の現状についてじっくり説明しています。そして、最後にクリエイティブ・コモンズに代表される新しい知財の活動を紹介し、コンテンツ業界の行く末について論じています。
僕は「コンテンツ流出 = 大衆文化の消滅」 という考え方にはちょっと異論があって、さっきまでそのことをダラダラと書いてたのですが、なんかまとまりがなくなったのでバッサリ切りました。
再販制度の話や、1 枚 3000 円するアルバムの値段のビックリ内訳の話、オンラインゲームの隆盛によるゲームメーカーの思惑やミッキーマウス保護法の話など、知らなかったオモシロイ話がいっぱい書いてあったので勉強になりました、とでも書いておこう。
それにしても光文社ペーパーバックス。相変わらず中途半端に英語混じりで読みにくいです。何とかならないものですかね。
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