オススメ Java 書籍(初級編)

ある Java の本を目当てに本屋さんに行って、あらためて Java コーナーを見渡したんですが、あまりの種類の多さにビックリしました。

こんなに種類があると、初級者の人はまずどれを選んでいいかわからなくなるでしょう。

僕は Java の本に関しては結構な数を読んだので、「良い本・悪い本」が自分なりにわかっているつもりです。そういう、わりとお金をかけてわかったことを新人さんとかに教えてあげるのが先輩の役目だと思うのですが、いかんせん出向中の身なので後輩に伝えることもできません。

ということで、今回はそんな後輩たちに向けつつ、初級レベルから中・上級レベル(上級じゃないのであてになりませんが)にかけてどういう本がオススメかという独断と偏見に満ちた紹介をしてみたいと思います。

初級者のひとは Java という言語の全体像をボンヤリとでも理解するために、とりあえず一冊、網羅的な入門書を通しで読む必要があると思います。つまらないページでも飛ばさずに、コツコツと通して読むことがなにより重要です。このステップの最終目的は、頭の中にその本の目次を描けるようになることです。

そのためには、網羅的なことはもちろん、飽きのこないわかりやすい本が入門本には向いています。以下の、通称「結城本」といわれる本はそんなニーズにぴったりの本です。わかりやすさなら随一だと思います。

また、結城本ほど読みやすくはないのですが、網羅的という点ではひけをとらない入門書として次の本をオススメします。

僕は一番最初にこの本を手に取り、何度も何度も繰り返して読みました。押さえておくべきところがすべて押さえてあるとても良い本だと思います。

さて、最後に紹介する入門本はちょっと異色かもしれません。

この本は Sun 認定資格の SCJ-P 試験対策本なのですが、教科書として質の高さと網羅性には目を見張るものがあります。文章が固かったり多少値が張ったりしますが、それをはるかに上回る質の高さを持った隠れた名著です。


さて、これまでに紹介した本のどれかをじっくり・しっかりと消化したら、次はコーディングするためのルールを徹底的に身につけることをオススメします。

こういう内容は、本来は先輩や上司から教わるべきものだと思います。なので、万が一、先輩や上司に恵まれない不幸な人はこの本を読んでしっかりとコーディング規約やノウハウを身につけてください。本書の内容の多くは「オブジェクト倶楽部 コーディング規約の会」でタダで見れるので、そちらを見ても良いでしょう。

さて、入門本・ルール本の 2 冊をしっかり読んで手を動かしたら、もうどんなソースコードでもしっかり読めて、綺麗でスタンダードなコードが書けるようになっていると思います。

ここらで少し実践的な知識を身につけましょう。

次に紹介する本は、効率的・高品質なソフトウェアを作るための入門本です。

「JUnit ってよく聞くし、みんな使ってるみたいだけど実際どうやって作ったらいいのさ?」という人にはうってつけです。この本は Eclipse に絞ったソフトウェアテストの本ですが、絞ってることでかなり実践しやすくなっています。この本でもちらりと Ant に触れていますが、やっぱりテストの本なので JUnit に比べると若干説明が弱いです。

そこで、リファレンス的に以下の本を手元に置くとよいでしょう。

この本はかなり役立っていて、今でもよく眺めて活用しています。特に Ant 1.6 にも触れられてるあたりが素晴らしいです。

最後に、中級レベルへのガイドとして次の本をオススメします。

この本にはリファクタリングやデザインパターンなど、中級レベルで身につけるような内容がわかりやすく説明してあります。Chapter 1, 2, 3, 6 あたりを電車の中とかでサラリと読む感じがオススメです。ひとつふたつ新たな発見があると思います。

疲れたので初級編はこれくらいにしておきます。

雑誌やウェブサイト、もしくは先輩の会話などから「デザインパターン」だとか「フレームワーク」だとか「O/R マッピング」だとか、なんかかっこよさげなキーワードがたくさん耳に入ってくると思うのですが、初級者の人は手を出したい気持ちをグッとおさえて、「へー、そんなのがあるんだ」ぐらいにとどめておいたほうがいいと思います。

僕も最初の頃は背伸びして、Java の基本もしっかりしてないくせに J2EE などに手を出したことがありました。しかし、本を見てサンプルを動かしたりするところまではできるのですが、いざ一人で何か作ろうとしても結局サンプルの域を超えず、何も身に付いてなかったんだなぁと思ったことをよく覚えています。言語仕様や標準の API もろくに知らないくせに、いきなり J2EE の膨大な仕様や API 群に手を出そうとしたって挫折するに決まっています。最新の言葉だけをいっぱい知ってる薄っぺらい知識ではなく、どっしりとした、日本酒で喩えるならば「田酒」みたいな実力を身につけてほしいものです。

次回は、(やる気があったら)中・上級編を紹介したいと思います。

ホントは一気に書こうと思ったくせに挫折したんだろ、とか言わないこと。

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