いやな死因

大変なことをしでかしてしまいました。

もしも突然死したときに死因がわかるように、いちおう遺書エントリーしときます。

最近は、寝る前にリポビタン D を飲んでいるんですね。

なんとなく疲れがとれそうとか、そんなどうでも理由です。

昨日もいつもと同じように飲んだつもりだったんです。

でも、飲んだらなんか後味が違うんです。

一瞬「あー、間違えてチオビタ買っちゃったのかな?」くらいに思いました。

で、ビンのラベルを見たんですよ。

似てるけどなんか違うんですよ。

でも、あきらかに見覚えがあるんです。

今をさかのぼること 10 年前。

高校二年の修学旅行で行った宮島のひなびた自販機で買った「リポビタン D」のパクリ商品です。「リポチオン C」という情けないネーミングセンスとその大胆なパクリセンスがツボだったので即購入し、以来、オブジェとして机の上に置いてたんです。

それをですね。

隣にあった「リポビタン D」と間違えてゴクゴク飲んじゃったんですよ。

しかも一気で。

今しがた喉を通りすぎていった液体が「リポチオン C」だと認識した瞬間、「ああ、これは死んだな」と確信しました。

なんていっても 10 年ですから。

僕は賞味期限が 1 時間過ぎてるだけでも食べない人間なのですが、コイツは 10 年ですから。

1 時間どころか 87600 時間ですから。

この「リポチオン C」は、僕と一緒に 群馬県太田市 → 群馬県前橋市 → 群馬県太田市 → 茨城県つくば市 → 千葉県柏市 → 千葉県習志野市 → 東京都板橋区 と、関東各地を渡り歩いてきました。

まあ、いってみれば戦友なわけです。

なので、事故死とかで不条理に死ぬくらいならコイツに殺されたほうが幾分マシなのかもしれません。

でも、ですよ。

死因が「リポチオン C」(パクリ商品)って人生的にどうなんすか?

もしかして死亡診断書に《死因:自分で買ってきた「リポチオン C」を「リポビタン D」と間違えて飲んだため(てか、リポしかあってないじゃん。ププー。)》とか書かれちゃうんですか?

そして、親とかはそんな子供の滑稽な死に様を世間から隠すために「息子は脳腫瘍だったんだ。苦しかったと思うよ。でも、アイツは本当にがんばった。全身に管をつけられながらギリギリまで痛みに耐えた。でも、ひとことも痛いという言葉を口にしなかった。最後の最後まで生きる希望を失わなかった。」とか嘘ついちゃうんですか?

さて。

戦友を身体に入れてから 20 時間が経過しました。

別段おなかをこわすとかでもなく、

今のところいたって快調です。

そんな快調ぶりが逆に怖いとです。

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