お昼のお弁当を食べているときに、
ふと、気づいてしまった。
ひっそりと眠っていた自分の気持ちに。
思春期のときのような甘酸っぱい感情に。
そう、キクラゲが大好きだってことに。
だいたいキクラゲの存在ってなんなんだよ。
あの見たくれ。
あの色。
あの食感。
すべてが完璧じゃないか。
そして、完璧なくせに表舞台に立たないところがたまらなく好きだ。
こんな事実に気づいたなら、以前までの僕だったらすぐに「キクラゲ」で検索して詳細を調べ、その足で「kikurage.com」の取得に動き、次の日には近くのスーパーに行って5袋(そもそも袋で売ってるかどうかも知らないけど)くらい買ってきて、それはもう獣のようにむさぼっていただろう。
しかし、僕はもう大人なのでそんな愚行はしない。
ハートチップルも生クリームもそれで嫌になってしまったのだから。
プチプチやるヤツもそれで飽きてしまったのだから。
キクラゲだけは、そんな目にあわせたくない。
心配しなくても、また、すぐに出会えるんだから。
みそラーメンの上で。
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