僕の好きな言葉のひとつに「KISS」という俗語があります。
「KISS」とは「Keep it simple, stupid」の頭文字をとったもので、
「アホ!ゴチャゴチャ考えないで、もっとシンプルにやれ!」
ぐらいなニュアンスの軍隊用語が由来だそうです。なにか問題に遭遇したときには、ゴチャゴチャと複雑に考えないで簡単に、単純に考えた方がいいよ、的な感じで僕はとらえてます。
本書のタイトルはまさにそれだったので、中身も見ずに手に取ってしまいました(実際、本書の中でもキス・アプローチについてのくだりがありました)。
本書は、ご存知羽生善治氏が各界の第一人者たちと対談したものです。さすが各分野の超一流の人間同士の対談とあって、その内容はものすごく刺激的です。
以下、ほんの一部だけ抜粋すると、
- 「知っている」というその一点だけで有利になる
- 不利な状況では、混沌とした局面を作り、勝機を見いだす
- 情報は「選ぶ」より「いかに捨てるか」
- 問題を発見するのは「分析力」ではなく「洞察力」
- 勝負にこだわるだけならジャンケンでいい。いい棋譜を残すことにこそ、意義がある
- 人間は、自分で計算の方法を説明できないことを直感、勘という
みたいな感じです。
話題としては将棋やスポーツ、計算機のものなのですが、ものごとを考えるときの思考方法や勝負における戦術レベルから戦略レベルの話まで、そのままビジネスの世界で役に立ちそうな示唆を与えてくれる良書だと思います。
僕は特にカーネギー・メロン大学の人工知能、ロボット工学世界的権威である金出教授との対談に刺激されました。かなーりオモシロな内容でちょっと興奮気味です。
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