もののあわれ

僕の家から見える公園に植えてある桜の木に、うっすらと花がつき始めました。

今週末ぐらいは満開になりそうで、ちょっと楽しみです。

桜といえば最近印象的だったのが、少し前に話題になったベストセラー『国家の品格』の次の一節です。

… 日本人の感性の鋭さの一例が、例えば桜の花に対するものです。

桜の花は、ご存じのように本当に綺麗なのはたったの三、四日です。しかも、そのときをじっと狙っていたかのように、毎年、風や嵐が吹きまくる。それで「アアアー」と思っているうちに散ってしまう。日本人はたった、三、四日の美しさのために、あの木偶の坊のような木を日本中に植えているのです。

桜の木なんて、毛虫はつきやすいし、むやみに太い上にねじれていて、肌はがさがさしているし、花でも咲かなければ引っこ抜きたくなるような木です。しかし日本人は、桜の花が咲くこの三、四日に無上の価値を置く。たったの三、四日に命をかけて潔く散っていく桜の花に、人生を投影し、そこに他の花とは別格の美しさを見いだしている。(国家の品格 – P104)

本書によると、この感覚は「もののあわれ」という言葉で表される、儚いものに美を感じる日本人特有な情緒とのこと。

その辺の話についてはちょっと書きたいこともありますが、でもまあ、とりあえずそんなことはおいといて、今週末は花見!花見!

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