学生時代に全部買ったのですが、貧困と飢えのあまり、泣く泣くブックオフに手放したことのある思い出深い漫画です。急に読みたくなったので、買い直して再読しました。
やっぱり面白いです!
読んだことがない人は、ぜひ読んでみることをオススメします。
テーマの性質上、内容に品はないのですが、ストーリーにものすごいリアリティがあるので、グイグイと引き込まれていきます。絵が下手だという話をよく聞きますが、細かいところまで書き込んであるので、むしろ読んでるうちに癖になります。
灰「社長、私は入社以来、帝国金融に純益を1億以上もたらしていますよ」
社「1億稼ぎだしたとノボセあがってるみたいやけど、帝国の看板とワシの金で丁稚がちょろちょろと御用伺いしただけやないか。」
社「掛け捨ての生命保険でも1億円なら月々数十万円の銭が必要や。お前に払えるか?無理やろ。つまりお前は1億円の価値がない人間や。」
社「ワシらの法定金利40%で月々25万円ずつ25年ローンで返済するとして借りられる元金はなんぼや?」
灰「750万です」
社「どや、これがワシらの側のカラクリや。750万で人間一生の身売りや。25年払い続けたお金の9割がワシらの取り分、つまり金利や」
社「そやそや、ついでに言うとくけどお前の基本給も25万や。お前の価値は元本750万のローン1本と変わらんのや」
これは、経験を積んで、少し仕事ができるようなってちょっと生意気になってきた主人公灰原が、社長にガツンとやられるシーンです。個人的にはわりと衝撃的なシーンで、このほかにもガツンと来るシーンがたくさんあります。
字が多く中身も濃いため、読むのに時間がかかるうえに、中毒性があるので、仕事があるひとは一気買いは避けた方がいいかもしれません。
僕は重量感という言葉をよく使うのですが、本でも漫画でも、読んだ後に頭にずっしり何かが残るような本が良書だと考えています。この漫画は、そういう意味でとても重量感のある漫画だと思います。
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