Gシリーズの2作目。文庫版は最近発売になったみたいだ。上野駅の明正堂書店で目についたので、さっそく購入。さすが明正堂である。
『φは壊れたね』もそうだったが、本作も同じくシンプルな構成だった。無駄な伏線がいっさいない。
単純化していえば、「次々に起こる自殺。その死体に口紅で描かれているθの文字にはどんな意味があるか?」という、たったひとつの謎しかないように思う。その謎について、登場人物たちが集めた情報・証言などを総合すると、きちんとパズルが解けるようになっている森博嗣らしいシャープな構成だ。
また、謎自体には関係ない横の話もあって、ファンにはより楽しめるようになっている。S&Mシリーズにも出てきた反町愛が登場。さらに、なんと真賀田四季まで登場したので、Gシリーズの今後が気になって仕方がない。ノベルス版では『τになるまで待って』『εに誓って』『λに歯がない』『ηなのに夢のよう』とまだ何冊もあるのでつい手が出てしまいそうになるが、読む本はたくさんあるので、文庫版が出るまでゆっくり待とうと思う。
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