何人かの方から「最近ぜんぜん本の紹介がないよ」というメッセージをいただきました。「忙しくて読めないんですか?」とも聞かれましたが、読んでる量でいうと前よりも読んでたほどで、いわゆるインプットと内省のほうに多くの時間をさいていました。でも、いわれてみると確かに最近はインプット過多でアウトプットがなかったので少し反省。ぼちぼちアウトプットもしていこうと思います。
とりあえず、いちばん最近読んでよかった本の中から一冊。
著者は『非常識な成功法則』で有名な神田昌典です。僕は彼の本が好きでよく読みます。本書は前作『お金と英語の非常識な関係』から1年以上ぶりの新刊だったのでわほほーいな感じで購入しました。
さて、神田昌典の本といえば、これまで成功本的なものが多かったわけですが、今回は毛色ぜんぜん違います。
プロローグに、
彼の人生に触れると、明らかに何かが変わる。
(中略)
そのエネルギーを、本という形で缶詰にして、あなたに手渡すこと。そして雷に打たれるような体験を、あなたと共有すること。それが本書における、私の役割である。
とあるように、本書で描かれているのは近藤藤太というひとりの人間の人生だけです。
しかし彼の人生は半端じゃありません。
ものすごく濃いうえに示唆に富み、さらにいえば感動にあふれています。本書の最後のほうには、彼がなくなる数週間前のくだりがクライマックス的な感じで描かれています。そこには、最後の最後までものすごいエネルギーを持ったトウタ老人が描かれ、人間というものはこうも強く美しくなれるものかと感動し、自然とこぼれてくる涙を抑えることができませんでした。(定食屋で)
人生をよりよく生きるための法則などというものが存在したとして、そういうものを巷にあふれる成功本やノウハウ本に求めるのもひとつの方法かもしれませんが、なによりベーシックな方法は人の生き様から学ぶことだと思います。
僕はそういう観点から歴史や伝記の本を好んで読むのですが、どれもこれも分厚いものが多く、読むの時間がかかってしまいます。特に「分厚いのはちょっと…」というひとには、本書は(神田昌典の著書はどの本も)とても読みやすく2時間もあれば読めてしまうので本当にオススメの一冊です。
人生の成功の秘訣は、やるべきことを、やるべきタイミングで、きちんとやることである。
トウタは、やるべきタイミングがきたと直感した。トウタはなんとしてもこの仕事をしたいと思い、その日は徹底的に面接の準備をした。(P161)
つまり — 今ボクらが目の前に見ているものは、何もなかった。
ゼロである、ゼロ!
こんど高層ビルに登ったときに、想像してほしい。
見渡す限りのビル、そして住宅の海。それがすべて、灰と塵だったのだ。その瓦礫の山に、ボクらの先人は、ほんの六〇年前に立っていたのである。(P153)
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