神護寺展@東京国立博物館 にいってきた

神護寺展にいってきた。

東京国立博物館の歴史ある重厚な雰囲気は大好き。

今日も東京は暑くて、暑いからか人が多かった。

久しぶりの東京国立博物館
平成館

神護寺展は平成館で開催。何年か前に鳥獣戯画展で来て以来だ。

平成館 エントランス

まず目についたのは「灌頂暦名(かんじょうれきめい)」。

灌頂暦名とは、灌頂を受けた人名を空海が記録したメモとのこと。ちなみに灌頂とは(僕も知らなかったけど)正統な継承者とするための儀式のことらしい。

このメモ、ところどころ間違えて塗りつぶした形跡があって、空海の偉大さに触れつつも、その人間くささが垣間見える独特の魅力があった。

次に鑑賞したのは「両界曼荼羅(高雄曼荼羅)」。230年ぶりに修理されたというこの作品は、4メートル四方に広がる金剛界と胎蔵界の二つの世界観が描かれていた。

これまで曼荼羅をじっくりみたことなかったけど、今回は30分くらい時間をかけてじっくりみてみた。そのうち吸い込まれる感じというか、数学的な感じというか、自分がみている世界がゆがむような感覚になって新鮮だった。

両界曼荼羅(東京国立博物館 WEBサイトより)

「伝源頼朝像」も外せない。鎌倉時代に描かれたこの肖像画は、僕らの時代は源頼朝として疑うこともなかったが、いまや違うおっさんだったかも…と話題の肖像画だ。

この有名な肖像画が神護寺の持ちものだったんだとはじめて知った。

伝源頼朝像

最後に圧倒されたのが、「薬師如来立像」と「五大虚空蔵菩薩坐像」。薬師如来立像は、如来にしては珍しく厳しい顔をしており、その表情からはただの慈悲ではなく、何か深い覚悟のようなものが感じられた。この像の裏側まで見ることができたのは本当に貴重で、時間をかけて鑑賞した。

会場風景(東京国立博物館 WEBサイトより)
薬師如来立像(東京国立博物館 WEBサイトより)

今回の展覧会で、神護寺の歴史がよく理解できたし、また神護寺をめぐって空海をはじめとしたさまざまな人物が活動し、現代までその文化が継承されていることに感動した。また、他のお寺とは違う独特の雰囲気を感じられてとても印象的だった。空海とか密教とかに興味のある人はぜひ行ってみるといいかもしれない。

神護寺は山のほうにあるのでまだ訪れたことはなかったけど、近いうちに訪れてみたい。


ちなみに空海といえば、空海と最澄を描いた漫画「阿・吽」がとてもおすすめだ。空海(と最澄)という人間がより深く感じられるので、興味がある人は読んでみてほしい。

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